院長コラム
あるウクライナの女流画家の事(前編)
2022年04月05日
待ち合いの壁にちいさな絵をかけました。ウクライナ生まれの女流画家ジナイーダ・セレブリアコワの自画像です。(左図)
ジナイーダは、1884年12月10日、現在戦闘の行われているハリコフ近くの近郊の村で裕福な一家の6女として生まれました。芸術家の両親や親族に囲まれ、のどかな田園風景の中で何不自由無く育った彼女は、1910年に「化粧台の前で 自画像」(右図)を 掲げて颯爽と画壇に登場します。現代の基準でみても超のつくほどの美人ですが、優しそうな微笑みや澄んだ美しい瞳からは、若い女性の快活で曇りのない心情が見て取れます。
才能と美貌に恵まれた彼女は、たちまちロシア画壇の注目の的となり、ルノワールをもしのぐと云われるほどの素晴らしい作品を次々と発表します。幼い頃より、イタリアやフランスに学んだ彼女の筆は、伝統的な西洋画の習いつつも自由闊達であり、後期印象派の巨匠達の構図やタッチも完全に自分のものにしている様に思います。(ネット上で検索すれば、彼女が生涯で描いた素晴らしい絵画の数々が見られます。)
しかし、順風満帆に見えたそのキャリアは、ロシア革命で暗転します。愛する夫を革命の混乱の中で亡くし、すべての地所や資産を革命政府に取り上げられ、4人の子供を抱えて今まで経験した事のない貧困生活にたたき落とされたジナイーダ。彼女は、新政府の好む機械的で無機質な絵画の製作をことわり、黙々と自らの信ずる西欧画の王道を進みます。やがて共産主義下の抑圧をのがれ、パリに活動拠点を移します。波乱万丈の画家の後半生は、次回に述べる事とします。
〒666-0014 兵庫県川西市小戸1丁目7-13
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受付終了時間は診療終了時刻の15分前となります。
診療は予約優先で行いますので、
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