2019年07月10日

月経前後の時期は、梅雨のようにとても憂鬱。

月経の事を一般的には生理といいますが、忙しい現在社会では　生理は個人の事情ーー大切な仕事や試合や試験は待ってくれません。働く女性の３人に１人が　医学介入が必要な月経困難症（腹痛、腹部膨満、腰痛、下肢への放散痛）があると言われますし、これに頭痛、疲労感、消化器症状（便秘や下痢）、精神症状（憂鬱、いらいら）などの随伴症状が重なったら、たまったもんじゃありませんよね。

月経中は、骨盤内でプロスタグランディン（PG）という物質が産生され子宮筋を収縮させて、文字通り子宮を締め上げる為に不快な痛みが起こるのです。骨盤内にPGが鬱滞すれば、骨盤痛や腰痛も起こるし、血流にのって全身に運ばれたPGは上記のような随伴症状も起こします。幸いPG産生を抑制する非ステロイド系抗炎症薬(NASIDs)は、とてもよく効きます。市販の痛み止めのお薬にはNASIDsが含まれていて、８割位の月経痛はこの薬だけでよくなります。でも、毎月たくさんの痛み止めが必要な方や、月々に痛みが増していく方、また今まで有効だったお薬が効きにくくなった方は要注意。一度、産婦人科に相談されてはいかがでしょうか。

欧米では　生理そのものをコントロールする方法が一般的です。日本ではまだ普及の遅れている低用量ピル(LEP剤)は、月経量を減らし、月経痛を劇的に和らげ、月経に伴う症状にも有効です。（保険も適応です。）

生理というくらいだから、月に一回あってあたりまえ――というのも本当でしょうか。欧米ではフレキシブルなピルの使用が一般的です。数ヶ月連続してLEP剤を内服し、その間の生理を飛ばしてしまう方法です。社会人の方なら忙しい時期を外したり、学生さんなら、試験や試合のシーズンだけも生理をなくしてしまいます。こうすれば　女性特有のパフォーマンスの波に悩む事もなくなるのではないでしょうか。ほかにも　漢方治療や理学療法が有効な方もいらっしゃいます。当クリニックでは、一人一人の患者さんに最適な対処法が見つかるよう、お話を聞きながら一緒に治療方法を考えていきます。お悩みの方は気軽に御相談ください。（内診なしのご相談だけでも大丈夫です。）

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