2020年02月13日

妊娠が成立すると絨毛（将来胎盤になる組織）からHCGというホルモンが分泌されて妊娠を維持します。ですので、尿中のHCGを調べれば、妊娠している（していた？）かどうかが判るわけです。（過去形を加えたのは、流産や人工中絶後もしばらくは妊娠反応陽性になるからです。）

薬局などでは、この尿中のHCGを測定するキット（妊娠反応キット）が売られていて、自宅でも妊娠かどうかを確かめる事が出来ます。尿中HCGの値が５０単位(IU/L)を越えるとキットは陽性と判断します。しかし市販のキットで陽性の反応が出て来院された患者さんにも、改めて尿検査をさせて頂く場合があります。それは、クリニックで使用する妊娠反応キットは、HCG２５単位とHCG１０００単位の２種類の数値を同時に測定できるからです。この測定結果を組み合わせることにより、HCGの値を１０００単位以上、５０〜１０００単位、２５〜５０単位の３種類に分類することができます。ごくおおざっぱに言うと、正常妊娠や胞状奇胎では１０００単位を超え、正常妊娠の初期や流産前後あるいは異所性妊娠の大半（子宮外妊娠）では５０〜１０００単位にとどまり、化学流産（HCGの反応のみで他の妊娠の兆候は現れない）や不妊治療中などは２５〜５０単位程度の弱陽性になります。超音波検査により診断精度が上がったとはいえ、異常妊娠が含まれる事も考慮して、キットで陽性が出たら早めにクリニックにお越し下さい。当院では、おおむね四ヶ月くらいまで、血液検査や超音波検査も含めた初期の妊婦検診を行っています。その後、妊婦さんのご希望をよくお聞きした上で、最善の分娩施設をご紹介出来る体制を整えています。

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