院長コラム
かもめの巡礼
2025年01月25日
北極星は、西洋ではポーラースターと言われるこぐま座の2等星ですが、不動の周極星として、常に北天を指しています。ですから、昔から旅人の指針として仰ぎ見られ、人生の道を導き開いてくれる開運の守護神として信仰の対象となってきました。旧国道(R176)の通る呉羽橋は、かつては「順礼橋」と呼ばれ、箕面の勝尾寺と宝塚の中山寺とをつなぐ交通の要所でしたが、そこから北へ能勢の妙見神社へ向けて能勢街道が伸びています。上方落語の「無精の代参」にも登場する妙見詣は、北辰(北極星)の信仰に基づいていたものです。。
呉羽橋から上流を望むと、間近に巨大なコンクリートの建造物が見えます。この阪神高速池田線のつり橋は、川を渡る400Mもの橋桁が、高さ80Mの主柱から張り出たロープで釣られている、国内最大級の斜張橋です。その白い優雅な姿から、ビッグハーブという優美な別名があります。主柱は、夜になるとライトアップされ、近くにある伊丹空港の飛行機にも見えるよう、てっぺんには二つのライトが点滅しています。梅田方面のビルから見ると、このライトは、妙見信仰の北辰を彷彿とさせます。
河辺の草が枯れるこの時期、バードウオッチングには最適で、ドラゴン公園と猪名川の河川敷には、たくさんの野鳥が見られます。朝霧がたつ寒い朝などは、ビッグハーブに向けて大阪湾からゆりかもめが遡上してきます。鴨くらいの大きさのこの海鳥は、なかなかやんちゃなやつです。カモメが来ると、おとなしいサギやバンは一目散に逃げていきます。なぜ大阪湾のカモメが、遡上してくるのでしょうか。県立山口博物館の小林 繁樹先生らの調べでは、ゆりかもめは波の静かな内海を好み.また他種では見られない特徴として,河川の中流まで遡 上する傾向が認められたそうです。(最も遡上していた例では河口から直線距離で15km、大阪湾から呉羽橋までちょうど10kmです。) また餌づ けが行なわれている場所では本種だけが餌づいていたーーとの報告があります。(1991. 厳冬期におけるカモメ類の生息分布. Strix 10:)内海に住むはずのカモメが、ビッグハーブの灯を目指して遡上してきたかと思うと、これが巡礼カモメかと頬が緩みます。
〒666-0014 兵庫県川西市小戸1丁目7-13
- 阪急「川西能勢口」駅
東改札を出て11番出口方向 徒歩1分
休診… 火曜午後、木曜午後、土曜午後、日曜、祝日
受付終了時間は診療終了時刻の15分前となります。
診療は予約優先で行いますので、
できるだけ前日までにご予約ください。
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