2024年01月03日

ひさしぶりに出身の池田附属高校の同窓会幹事を仰せつかりました。今年の趣向は、箕面の滝を散策し、スパガーデンで風呂に入り、夕方から宴会というもの。師走の忙しいシーズンにも関わらず、男女会わせて３０人を超える同窓生に、恩師のM先生（数学）も参加されにぎやかな会になりました。それぞれが近況を報告した後、会の締めは、恒例のM先生のお話です。学園紛争に続く学校の自由化の話、受験教育に舵をきったエリート校がどこも息苦しくなった話など、日本の教育界の変遷の歴史をお話しされました。医療を取り巻く環境の激変とパラダイムシフトを経験したものとしても、大変興味深い内容でした。

学園紛争と言ってもご存知の方は少ないでしょう。私の歳でも、ユーミンの「いちご白書をもう一度」という曲に当時の様子が詠われていたことが、淡い思い出です。当時、自由と自治を求めて立ち上がった学生がデモ隊を組織し、沈静化のために大学校内に機動隊が入った事もありました。敷地続きの小学校に通っていた私たちは、危ないからと集団下校した記憶があります。この学生運動によって、伝統ある校歌や制服が自由化され、髪型も自由になりました。それ以来、池田附属高校では、自主的学習が重視され、いわゆる受験教育とは異なった教育方針を貫くこととなりました。（同窓生の中には、もっとちゃんと受験教育をしてほしかったとおっしゃる方も多いのも事実です。）

会がお開きとなり山麓にあるスパガーデンの屋外に出たところ、大阪平野を一望する夜景がことのほか見事に見えました。寒風吹きすさぶ中、M先生と一緒に、夜景を眺めていると、還暦を過ぎた仲間達が次々と加わり、それぞれが勝手な感想を言い合って、高校時代に戻ったような盛り上がりをみせてきました。確かに　遠くのビルの灯りや伊丹空港に降りて来る飛行機の灯りなど、見ていて飽きる事がありません。「還暦を過ぎた男女が、夜景くらいでこんなに盛り上がれるなんて、これこそ自由教育の賜物ですね。」と申しあげると、M先生も嬉しそうにうなずかれていました。私にとっても、2023年最後の嬉しい出来事でした。

（五月台より阪神高速　川西能勢口方面を望む）

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