松本零士先生へのレクイエム｜兵庫県川西市婦人科レディースクリニックかとう

院長コラム

松本零士先生へのレクイエム

2023年02月26日

「銀河鉄道999」の松本零士先生の訃報を、ある若い患者様から知らされました。

先生の作品はいずれも素晴らしく、何度もリバイバルやリニューアルがなされてきました。スピンアウトした「銀河鉄道物語」などは私もいい歳になっても楽しみに見ていました。また、半世紀も前の話ですが、同級生の女の子を誘っての初デートが、劇場版アニメ「さよなら銀河鉄道999」でした。女性と話すのが生業（なりわい）になった今日からは想像もつかないほど緊張して、ドギマギして、なにを話したかはあまり覚えていません（笑）。

今、万感の思いを込めて汽笛が鳴る。

永遠の母性の象徴

松本先生の作品に通暁するのは、女性に対する畏敬や慕情、そして愛に溢れたフェミニズム。そこに戦闘機乗りだったお父上から受け継いだ騎士道精神が加わることで物語としての奥深さを湛えているところが、たまらない魅力です。アニメに出てくるヒロインはいずれも長い髪を靡かせたスラリとした美人。デビュー作「男おいどん」の主人公のような冴えない男を、陰日向となく支えてくれる優しい母性愛に溢れています。

ロマンと好奇心に溢れた世界へ

宇宙を旅する物語にはロマンが溢れていますね。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」や小松左京の「神への長い道」「氷の下の暗い顔」など、古い文庫本を取り出して読み返してみると、今でも新たな発見があります。