2022年11月14日

毎朝、愛犬とドラゴン公園前の猪名川の河川敷を散歩していると、水鳥が集まって小魚を狙っているのが目に入ります。真っ白な白鷺（しらさぎ）と真っ黒な川鵜（かわう）が小魚を巡ってせめぎあう様子は、囲碁をみるようです。（頭数が多いほうが陣地合戦に勝つのも囲碁とおなじですね。）今年も、そこに冬鳥の鴨（かも）が帰ってきました。シベリアの大地で夏を過ごし、越冬する為に日本にやってくる渡り鳥です。多い時には、100羽以上が　群れを作り猪名川の河川敷がいっぱいになります。ここ数年は、バンも目にするようになりました。こちらは大きな群れは作りませんが、小さなひなを守るようにして川面をいく姿は愛らしいものです。

昔から渡り鳥の代表と云えば雁（かり）でしょうか。雁といえば、津軽の外が浜の雁風呂の民話を思い出します。冬鳥である雁が、旅の途中で海に降りて休む為、一片の木切れを咥えてきます。本州北端の津軽の浜につくと、浜に不要になった木切れを置いていきます。春になって日本各地で越冬した鳥達は、再び津軽の浜から木切れを咥えて旅立ってゆく。冬を越せずに日本でなくなった鳥の数だけ浜には木切れが残ります。外が浜の人たちは、その木切れを集めて風呂を焚き、故郷へ帰れなかった鳥達を供養するという話です。これは子供の頃に見たサントリーのCMで知った話なのですが、調べてみるとフィクションだとわかりました。でも、CMの中で山口瞳さんが、「哀れな話だなー。日本人ってふしぎだなあー」いっていたのを思い出します。サントリーの重役になった幼なじみのT君にこの事を話すと、「古い話やなー。お前さんの方がよっぽどふしぎやなー」と笑っていました。

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